すでに望遠鏡ヒーターの代名詞とい言えるヒーターの専門メーカー、カナダのケンドリック社より、最新のフォーカシング・マスク「バーティノフ・マスク」をご紹介致します。この革新的な「バーティノフ・マスク」は、ロシアの著明な天文家ポール・バーティノフ氏により発案・開発された、デジタル天体撮影者や厳しい眼視観望をされる方に対して、確実でシャープなピント合わせを、客観的かつ迅速に行える大変優れたピント調整用補助パーツです。

取付け・取外し・位置調整も簡単に行える「ラバーバンパー」（ある程度の調整範囲があります）パッドによって鏡筒のフードにグリップさせる方法なので、マスク１枚でフードサイズの違う鏡筒にも使用できるというメリットもあります。

使い勝手抜群の「バーティノフ・マスク」を鏡筒先端（フード先端）に装着すれば、その星像を見た瞬間にピントの状況が目視によって簡単に把握できます。「バーティノフ・マスク」のユニークなレーザーでカットされたパターンは、映像として非常にわかりやすいディフラクションのパターンを反映し、このパターンを見ながらピント合わせを行います。

「バーティノフ・マスク」を使用してのピント合わせでは、シーイングの良し悪しに関わらず、客観的にピント合わせが可能で、現状のピント状態にほんのわずかなズレがあっても、ディフラクションのパターンで状況は一目で明らかに判断できます。

恒星像による調整は右記イラストを参照して下さい。このイラストで、「バーティノフ・マスク」使用時の星像が実際にどのようみえるかがわかります。ピントの位置がほんのわずかにずれていても（繰出量１mm以下でも）、ディフラクションのパターンでズレの量とズレの方向が簡単に把握できます。下記の通りにピントの位置がぴったりとなったら、ディフラクションのパターンは「OK!」のように見えるため、迷うことなく客観的に判断できます

バーティノフマスクで見える実際のピントの状況です。ピントが大きくずれた状態ピンボケのアルタイルの像にマスクのパターンが映っています。右は、ピントがあった状態で美しい回折像によりピントがわかります。カメラのファインダーで確認する場合、マグニファイヤーを使用すればかなりの精度で合わせられます。使用するカメラが、ライヴビュータイプであるなら、画像を拡大して容易にあわせられます。（撮影データ：SHARPSTAR EDQ-65鏡筒（試作品）＋Canon EOS KissDigital X2カメラ使用、露光時間30秒、ISO 800）

今回ご紹介の「バーティノフ・マスク」は、軽量で頑丈なプラスチック製です。各マスクの周囲の３ポジョンには位置調整できる「ラバーバンパー」が付いており、ラバーバンパーをフード外径に合わせ鏡筒にセットします。これにより、１枚のマスクは、複数サイズの鏡筒へのセットも可能です。もちろん、より確実な取付方法も、ユーザー次第、自由に工夫もできます。各サイズの「バーティノフ・マスク」は非常に軽量なので、鏡筒の前後方向へのバランスに影響を与えず、構造及び素材はメンテナンスーリーの強いデザインとなっております。

ラバーバンパーがフードにグリップしている所のサイドビューです。クリップ部分には余裕があるため、１枚のバーティノフマスクはサイズ違いのフードへの装着も可能にします。（テープなどご使用でのフードへの取付け方もご自由です）

ケンドリック社のバーティノフ・マスクの設計は、メーカーにより、さまざまな使用パターンを想定し、そのマスクのディフラクションのパターンは、鏡筒の口径や焦点距離を問わずに、効果的にご使用頂けるよう設計されています。したがいましてよくあるご質問で、「同じ口径の望遠鏡で、異なる焦点位置を有する状態でバーティノフ・マスクを使用した場合には、なにか影響がありますか」。という点については、得られる像の大きさに若干の違いがある程度で、ほとんど影響はありません。

* フード外径を示しているものではございません。各マスクは、工夫次第、他サイズのフードへの取付けも可能で、ご自由です。