- 2インチアイピース使用可能
- 金属部分はすべて超ジュラルミン製、CNC加工機による削り出し品
- ミラー以外のアライメントはすべて部品精度で保証⇒調整レス
- ミラーのアライメントはビノテクノ独自の方法で精密調整済み
■EZMの機能と原理
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EZM(正立天頂ミラー)は双眼望遠鏡を作る上でもっとも重要な部品です。その機能は3つあります。
1つめは像の180度回転です。屈折望遠鏡を直視すると像は倒立像です。これを180度回転させて正立像にします。 |
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2つめは見口の90度折り曲げです。これは特に高度の高い天体を見るときに必要な機能です。通常の天頂ミラーや天頂プリズムもこの機能を持っていますが、像が裏像になります。 |
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3つめは光路の横方向シフトです。成人の目幅は一般的に60ミリ弱から70ミリ強です。それより直径の大きい鏡筒を2本並べるとそのままでは両目で見ることができません。この横方向シフトの機能のおかげで目幅を超えた外径の鏡筒でも双眼望遠鏡を作ることができます。 EZMはこれら3つの機能をたった2枚の平面ミラーで実現しています。対物レンズからやってくる光軸に対して2枚のミラーを特定の位置に配置するとこの3つの機能が得られます。具体的には光路が次のようなベクトルになるようミラーを配置します。 前提:望遠鏡は水平、鏡筒内の光軸をX軸、X軸に水平直角方向をY軸、上方直角方向をZ軸とすると、 対物レンズから1枚目のミラーまでのベクトル=(1,0,0) 1枚目のミラーから2枚目のミラーまでのベクトル=(1,ルート2,1) 2枚目のミラーからアイピースまでのベクトル=(0,0,1) となります。
※ この方式はメガネのマツモトの松本龍郎氏が1980年ごろ発明されました。 |
■EZMの構成
一般的なEZMは次の部品で構成されます。
- 鏡筒接続部(鏡筒に接続する部分)
- 第1ミラーケース(鏡筒側の三角ケース、底面にミラー配置)
- 中間リング(この厚みで横シフト量を決めます)
- 第2ミラーケース(アイピース側の三角ケース、底面にミラー配置)
- アイピーススリーブ(アイピースをセットする部分)
鏡筒接続部の端面からアイピーススリーブの端面までの光路の距離を光路長と呼びます。鏡筒のバックフォーカスがこの光路長以上ないと合焦しません。