●「筒外焦点を短くして斜鏡による中央遮蔽率をできるだけ小さくしたい」「直焦点撮影のためにバックフォーカスを長く確保したい」「双眼装置を低倍率で使いたいので拡大率の低いエクステンダーで合焦させたい」等々、天文愛好家の間では背の低い（Low-Profile)ニュートン反射用接眼部の需要が増加しています。しかし通常のロープロフィール接眼部では接眼筒が短くなる分だけ合焦ストロークも減少するため、特に直焦点撮影や双眼装置と通常の眼視観測を兼用する場合には、延長筒を併用しなければ合焦しない不便さがありました。Kasai DXマイクロフォーカス接眼部は笠井独自の設計により、この問題点をクリアした特製のロングストローク＆ロープロフィール・マイクロフォーカス接眼部です。

■2段式ドローチューブ

Kasai DXマイクロフォーカス接眼部のドローチューブは内筒に2インチ摺動筒を備えた二重構造になっています。取付台座底面から2インチ差込部端面までの高さが僅か47mmの超ロープロフィール接眼部にもかかわらず、外筒のマイクロフォーカス部分で26mm、摺動筒で更に44mm伸ばせるため、合計で70mmという非常に長い合焦ストロークが得られます。いっぽう、これだけ長いストロークに比して、最もドローチューブを縮めた時に鏡筒内に突出する部分の長さは15mm以下と非常に短く、鏡筒径がタイトな望遠鏡でも主光束を遮ることはありません。摺動筒と外筒の固定は真鍮リング締付式を採用し、脱落防止用ストッパー機能も完備。2インチアイピース固定部にも真鍮リング締付式を採用。追加高が1.5mmの超ロープロフィール31.7mm変換アダプター（48mmフィルターネジ付）も標準付属しています。

■1:10マイクロフォーカス

マットシルバー＆マットゴールドフィニッシュのメタルノブを装備した豪奢な合焦部には、回転比1:10のマイクロフォーカス機構を搭載。粗動・微動共、まさに「フェザータッチ」でするすると軽くスムーズに回せるため、合焦操作の際に微振動が殆ど発生しません。小型ベアリング４個とローラーによるフリクションで合焦操作を行なうクレイフォード式の採用によりアソビやバックラッシュも皆無。ストレスの無い軽快なフォーカシング操作が可能です。もちろん合焦テンションの微調整機能や写真撮影用のフォーカスストッパーも完備。

■ハウジング＆フィニッシュ

全パーツにCNC切削加工による精緻な部品を用い、肉厚のあるハウジング外面とドローチューブ外面にはキズに強いマットブラックフィニッシュの強化アノダイズ処理を施しています。

■取付台座

●鏡筒への取付台座には汎用性の高いユニバーサルタイプを採用。鏡筒径φ２００mm程度から平面まで装着可能です。鏡筒への取付は通常Ｍ４〜Ｍ５ネジ４本で行ないますが、ネジ２本で固定して左右にスライド調整が可能な長穴も設けており、斜鏡の前後位置調整ネジと併用してバックフォーカス量を微調整したり、微妙な傾斜角を調整したりする場合にも対応が可能です。自作用はもちろん、お手持ちのニュートン鏡筒をアップグレードする際にもぜひご利用下さい。
●SE250N/SYNTA25〜30cmニュートン用は、Kenko SE250Nをはじめ、SYNTA社製25〜30ｃｍニュートン反射の接眼部台座取付規格（固定ネジ間隔85mm×87mm）に適合する台座付。